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愛されたければ正直に
「愛してください」と言うべきところを「愛しています」と言ってしまうのはなぜでしょうか?
「愛しています」と言うと、相手はあなたが愛を与えてくれるのだと勘違いしてしまいますよ。
正直に「あなたに愛されたい」「あなたの愛がほしい」と言ったほうが誤解がないし、相手の本心もハッキリします。あなたに愛情を注ぐ気持ちがなければ「考えさせてほしい」「心の準備が出来ていない」などとはぐらかされるか、「わたしはあなたにはふさわしくない」と遠回しに断られるか、「あなたの期待には応えられない」「わたしはエゴイスト。愛されたいけど愛せない」などとキッパリ断ってくれるでしょう。
「愛しています」は魔法の呪文です。
言われた方は、あなたから無条件に愛が与えられるはずと期待してしまいます。
あなたも、自分が与える以上に相手から愛されることを期待しています。
「愛しています」は多くの人が言ってもらうことを夢見るパワーワードなだけに、相手の理性を狂わせる呪文なのです。
そして、この「愛しています」以上に日本でなじみ深く、日本の文化でも比較的に発しやすいのが「結婚してください」です。
「結婚してください」は「愛しています」よりも巧妙な時があります。
言った本人も愛がほしい。言われた本人も愛がほしい。
「結婚してください」はそんな本音をうまく包み隠し、お互いが労せず愛を獲得できる気にさせてしまうこともある麻薬です。
「つき合ってください」は、曖昧。自分の都合で親密になりたい時に言う言葉。
「今度会いませんか?」は、曖昧で時として無責任。「気に入ったらまた会うけど、そうでなければ次はないよ」です。さぐりを入れる言葉。
「愛しています」と告白したい人ができた時、
「結婚してください」と伝えたい人ができた時、
自分自身は相手をどの程度愛せるのか?
母親が赤ん坊に一晩中寝ずにおっぱいをあげ、おむつを替え、泣けばあやし続ける子守をするような愛情で相手を受け容れられるのか?
そのような愛情は持っていないのなら、どのような愛情を持っているのか?
ちょっと振り返ってみることができれば、同じ告白をするにしても、交際や結婚生活の中身は変わってくると思います。
「愛しています」と言って相手がどう反応するかよりも、「愛しています」と言う時の自分の本音にどれくらい気づいているかが大事。
そしてもし、「私は愛したいのではなくて、むしろ愛されたいのだ」と気づいたら、恐れず「あなたの愛がほしい」と言ってみてはいかがでしょうか?
どのような展開になるかは人それぞれだと思いますが、少なくとも正直で嘘のない関係、演技や駆け引きのない関係になるように思います。
恋愛や結婚生活でこじれた時、もつれた糸をほぐしていくと、愛情のあるなし以前に、正直であるかどうか、心に偽りがないかどうかが大切だと感じることが多いです。
相手をだましてしまう人は、自分をだましています。
そしてそこに無自覚なことが、お互いの苦しみを生むもとになっていたりします。
心理カウンセラー 平史樹