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「変わりたいです」
寄せられるご相談で一番多いのが「変わりたい」というものです。
病気の悩み、仕事の悩み、家庭の悩み、恋の悩み、色々あれど、わざわざカウンセリングを受けるかたに共通している強い思いは、「自分が変わりたい」ということだと思います。
「変わりたい」人がカウンセリングにまでたどり着くには、大概さまざまな紆余曲折がありますね。
学んで変わろうとする人は、社会人向けの大学講座や市民講座、駅前の文化教室に通ったり、資格取得の勉強をしたり、自己啓発セミナーに通ったり、本を読み漁ったりします。大学や専門学校などに入り直す人もいますね。
癒して変わろうとする人は、病院に通ったり、鍼灸に通ったり、温泉に行ったり、整骨院やマッサージ、エステやヨガ、瞑想に打ち込んでみたりします。
出会いで変わろうとする人もいます。お友だちや恋人、結婚相手を探して、SNSなどを駆使して出会いを求め、新しいパートナーシップの中で自分を変えようと模索します。
鍛えて変わろうとする人もいます。トレーニングジム、ボクシングジム、格闘技、様々なスポーツクラブにストイックに通い、自分を見つめ、自分を変えようとします。
その他、お化粧や美顔、美容、痩身や、女装や男装、コスプレ、登山やダイビング、旅行、禅の修業、宗教的な覚醒を求める、占いから改名、引っ越しする人、転職する人、ベジタリアンになる人まで、「変わる」ための様々な努力や工夫があります。
人は確かに、・・・そう簡単には変われません。
しかし、これらの努力や工夫は、全て成長と、その先の変化のために役立つと思います。
本人が求め、自らの意志で取り組むことに無駄は一切ありません。
わたしはかつてある本の中で、特に性格について「人は成人すればもう変われない」というような説に触れ、諦めたことがありました。わたしも変わりたかった。がっかりしたことを憶えています。
しかし人は変われます。上辺だけでなく、自分自身が「あ、変われたな!」と手応えを感じられることはあります。
枝葉末節ではなく、見かけや振る舞いではなく、より本質的に変化したと感じられることはあります。平たく言えば、「変われっこないと思っていた自分が変わる」ってこと、あるんです。
それはカウンセラーの仕事を通して体験しました。「変わる」人を見て来ました。つらさがなくなるだけじゃない、問題が解決するだけじゃない、「変わる」人たちです。
性格だって、変わります。
失敗や挫折をしながら、諦めずに時間をかけて工夫し粘り続けたわたし自身も、気づくと変わっていました。
それらの経験から、人がより良く変わるために必要な要素を、3つまでに絞り込んでみました。それは、
①そばにいる人、支援者。
②本人が変わろうとする気持ち、意志。
③本人が変わろうと努力と工夫をし続けること、継続。
支援者、意志、継続の3点が揃えば、ゆっくりではありますが、人はより良く変われると思います。
これは今のところ経験を元にした知恵です。人が変わるために、これはどうしても必要だろうとふるいに掛けたエッセンスです。
①は人に頼らなくても、自分自身が自分の支援者となるということでも可能です。自分にダメ出しばかりしないで、あたかも他人を世話するような視点を持ち、温かく寛容な心で自分を見守り続けて下さい。
カウンセリングを受けるかたは、どんなかたなのか?
どんなに自分に絶望したり自信がなくても、「私は変わりたい。変われるんだ」と、心の奥では自分を信じているからこそ、カウンセリングの申し込みをされるのだと思います。
「変わりたい」思いの果て、さまざまな努力と落胆の果てにカウンセリングのホームページをご覧になるかた。
受けようと決心されたかたは、変わる準備ができているかただと信じて、わたしもカウンセリングしています。
心理カウンセラー 平史樹