過去ブログ
自己否定から肯定へ
仕事がダメになったり、家庭が崩壊したり、病気が進行したり、危うく死にかけてからのご相談も少なくありません。
ご相談があれば、心の救急車になって駆けつけます。
年齢、性別、境遇、性格問わず、とことん行き詰まった上で連絡を下さるかたに共通して感じるのは、自分を否定する考え方を持っているということです。
「私はダメな人間なんだ」
自己否定の刃は、容易に反転して他者へも向けられるので、
「あの人のせいで自分はダメなんだ」
という認識にすり替わっていることもあります。
自分を不幸にする人や環境から離れようとせず、ひたすら誰かを恨みながら生きているような場合、実は自分で自分のしあわせを否定しているようなこともあるのです。
自己否定。
そんな信念が心のどこかにあると、不幸を前にして本気で対処できず、自分がとことん堕ちていくのを「このままではいけない」と思いつつ、堕ちるところまで見届けてしまうことがあります。
自己否定はインパクトのある強烈な言葉ですが、統計によると日本の十代は半数以上、自分に満足できていません。
大人だって自分に満足できていない。仕事や住まい、家族や友人、国や社会への不満を言いますが、何より自分に不満なのです。
「自信がない」「自分が嫌い」・・・若者は、そんな風に言います。大人になるとむしろ他者を否定しがち。これも根は同じです。
自己否定の気持ちがあると、人生でトラブルに見舞われた時、それを自分の成長や飛躍のチャンスとして見るのではなく、自己否定の証明としてとらえてしまうことがあります。
困難にチャレンジするのではなく、困難を自分を痛めつけるために利用し、ボロボロになって「ほら、やっぱり私はダメなヤツ」と言うのです。
そんなあなたが、「このままではいけない」「オレ、まずい」「私ヤバい」と気付き、誰かに助けを求めることができたら、正にしあわせな出来事、誰もが本来持つ生きる力が目覚めた時と言えると思います。
他人に助けを求めるから弱いのではありません。どうにかして自分を救おうと本気になる強さが大事なのです。人に頼ることは強さなのです。
あなたは本当の意味で親に頼れていないかも。家族や友人、恋人に頼れていないかも知れません。本当は頼りたいのに、強がったり、平気な顔をしていませんか?
不平不満は、実際には困っている人がよく出すシグナルです。
「実は、相談があるんだけど・・・」
本当につらければ、言ってみませんか?・・・
カウンセリングの問い合わせをいただく時、わたしはほっとします。
「あなたはもう大丈夫」
そんな気持ちで、話を聞きます。
自己否定を振り払い、誰かに頼る強さを感じます。
わたし自身が、長いこと本気で人に頼れませんでした。自分の気持ちも素直に言えませんでした。場面緘黙もありました。だからこそ、相談に来られたかたの勇気を信頼するのです。
相談されるかたの中には、「もっと早く相談すれば良かった・・・」と涙ぐむかたもいます。
でも、ひとりで苦しむことにも意味があった。今日連絡したのは最高のタイミング。そう信じてお話を聞きます。
もし、あなたの中に自己否定の種があったら、自分に価値がないと思っていたら、・・・それは本当ですか?それは真実ですか?と問いたいです。
それらは自分で自分にかけてしまった魔法です。
真実ではありません。
不幸の中に眠り続ける人生もあります。でも、あなたの意志で、今日目覚めても良いのです。
どんな人生にもしあわせがある、自己肯定感の中で生きるなら。そう思います。
心理カウンセラー 平史樹