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非定型発達

「発達障害」という言葉が広く使われるようになって久しいと思いますが、安易にこの言葉が使われる時にうんざりすることがあります。「障害」と聞くと即座に病人と看做して治療が必要と考える人もいますし、反射的に差別や排除の態度をとる人もいます。これからは「非定型発達」と呼ぼうと思います。

この時代、なんでも個人の責任に帰す傾向があると感じますが、「非定型発達」は、個人の責任で済ませられらない社会的な問題があると思います。

「非定型発達」が増えたのではなく、「非定型発達」が生きづらい世の中になって炙り出されるようになったと思います。

情報社会、サービス産業中心で臨機応変、対人スキルが重視される状況はますます加速する中、転職や離婚など関係を断つ自由が進み、自己実現が強調される風潮の中で、生きづらさが表面化しやすい今日、スペクトラムである「非定型発達」の中で社会不適応の範囲に入る人が増加しているのでしょう。

就職や転職の相談を受けるうちに、悩んでいるかたに「非定型発達」を思わせる例が多いと感じるようになりました。不登校のケース以上にです。不登校は今日、誰でもどんな子でも簡単にハマります。

「非定型発達」はすでに少数派ではなく未来の「定型発達」になるかも知れません。それは、「非定型発達」が増えているというよりむしろ、人が生きづらい時代、住みづらい社会になって行っているからだと考えられないでしょうか。

時代の転換期、過渡期と思える今、悩みを自覚し相談を求める当事者であるご本人たちと一緒に、現在の「定型発達」型の社会でどう働くか、いかに生きていくかを、日々考えております。

平史樹

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