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人生は素晴らしい
人生は素晴らしい
人生は素晴らしい!生きることは楽しい!生きることには意味がある!誰にでも価値がある!それがベースだ。そこが出発点だ。
いくら心理の専門家だからと言って、若い人から大人、お年寄りに対してまで、そこをはっきりと断言できなくて、どうして支援ができるだろう。相談に乗れるだろう。教壇に立てるだろう。
カウンセラーも教員も励ますのが仕事だと思う。励まし方が違うだけで本質は変わらない。
久しぶりに週に数日ペースで教壇に立ってみて、ふとこの原点に立ち返ってみた。
中学生高校生に、励ましの思いや言葉がまっすぐ伝わらない感覚。あれ?
子どもたちが、息切れしている感じ。
昔に比べると子どもの数は減り、殺伐とした受験戦争は過去のもの。教科書のページは増えたとはいえ、今は前より余裕を持って勉強できる時代になったはず。進路の選択肢も、ずっと増えた。
それなのになぜか、自分の将来について情熱を燃やせない子どもたち。
数多ある進路や就職先を、どこか冷めた目で腕組みし首を少し傾けて眺めるのは、本質を伝えるのが足りないんじゃないか。
人生は素晴らしい!生きるのは楽しい!と。それを本気で伝えて行くこと、大事なんじゃないか。その感覚が掴めないと、自分の将来について、本気で考えられないと思う。
過去のとある10代の自殺の記事に触れる機会があった。
仲良しの女の子二人組。二人で手をつないで、ビルから飛び降りた。まるで隣街に一緒に買い物にでも出かけるかのように死んでいった二人にとって、それほどまでに、絶望は身近だったのか。
そんな世の中にしない。するものか。人生は素晴らしいって、どんな世代に対しても訴え続けたい。
批判的な言葉、否定的な言葉は良いのだ。それは期待と希望の裏返しだからだ。だから批判や否定を受け止めて、前向きな希望の言葉を返すことができる。
問題は、不感症だ。それは絶望から来る。
世界が悪い。国が悪い。世の中が悪い。会社が悪い。学校が悪い。家庭が悪い。からといって、人生まで否定することはない。環境がどうであれ、自分の心は自分のものだ。周囲に汚染を許してはならない。
自分を周囲から切り離し、自分で自分を励まし、自分で自分に希望の種を蒔き育てる力が、今、誰にとっても必要だ。
そのためには、誰かがはっきりと、希望の言葉を伝えないと。それでも人生は素晴らしいよと、毅然と、そして温かく、伝え続けて行かないと。
平史樹