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カウンセリング

女性の気持ちに耳を傾ける文化、家庭から作ろう

「夫が許せない」というご相談をうけたことがあります。彼女は何年にもわたってとても苦しんでいました。

離婚も考えたそうです。

本当に困っている時に、夫が助けてくれなかった。それが許せない。

話を聞けば、彼女は妻として母として、そして一人の人として、とても魅力的なかたでした。彼女を通して語られる夫も、素敵に思えました。素晴らしいお二人なのです。

ただ彼女は、彼女が必要とするタイミングで、必要な分だけ、必要な助けを彼から得ることができなかった。

「困っていること」は彼女一人で解決しました。なのに、なぜ何年たっても彼を許せないのか。

彼女は言葉で「困っている」と助けを求める前に、彼に察して欲しかったのかも知れません。

彼女の苦しみは、困っていること以上に、困っているという気持ちを言えなかったことではないかと思いました。

何が大事なのか?

コミュニケーションです。

特に、男性が女性の気持ちに関心を持ち、積極的に耳を傾けるということです。

女性も、自分の感情をもっと大切に。自分の気持ちを人に伝えることを自分に許しましょう。

彼女の家庭では、ルーツとなる実家も含めて、そのような習慣がなかったかも知れません。

彼女の中に、自分の気持ちを伝えるという発想や習慣の欠如を感じた時、非常に多くの日本人家庭に感じる感情の封印の習慣、特に女性の感情の軽視の文化について改めて問題意識を持ちました。

察する文化、空気を読む文化、相手を慮る文化は日本人の美徳のひとつ。

でも、夫婦やパートナー、家族は、もっと伝えなきゃ。もっと知ろうとしなきゃ。

これだけ世の中が複雑で、価値観が多様化し、変化が速くなっているのだから。

言葉でもっとお互いを理解し合いましょう。

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察しが良く気が利いて、忍耐強くてワガママは言わない。

かつてそんな女性が評価された時代がありました。

言う前にお茶を出し、理不尽に見えることがあっても決して不満をこぼさない。

それを女の役割として教えていた時代がありました。

男はその上にあぐらをかいて生きていました。

男が外で命がけで家族の糧を得る時代には、そのような文化も機能したと思います。

しかし、時代は変わりました。

女性も男性のように命がけで家族のために戦っていることに、私たちは気づきました。

女だって察して欲しい。分かって欲しい。「ワガママ」と言わずに「気持ち」を聞いて欲しい。

それを言える時代になりました。言わないとやっていけない。

女性の方が、感情を表現し、それを受けとめてもらうことが必要です。

わたしは男女半々くらいの割合でカウンセリングの依頼を受けていますが、夫婦や家族の事柄に関するお悩みを聞く際は、よく夫婦での家族カウンセリングを提案しています。

家庭では一方的な報告や言い渡し、申し送りみたいなコミュニケーションしかして来なかったご夫婦に、カフェでコーヒーの香りになごみ、サンドイッチやケーキを食べてくつろぎながら、お互いの気持ちを自然と伝え合い、協力して問題を解決する場を作っています。家庭でのコミュニケーションのスタイルを変えるきっかけにもなっています。

旦那さんが奥さんの気持ちに耳を傾けることを習慣化していくことで、家族でのコミュニケーションの質が変わって行きます。

「風呂・メシ・寝る」のような一方通行のシグナルではなく、創造的で発展的な会話、「どう思う?どうしたい?これからどうしていこうか?」と、お互いに確認し合う相互主体的な生きた会話が、家族の中で成り立つようになって行きます。

それを、子どもたちにも見せて行きたい。

移り変わりの激しい今日、人生のゴールが見えにくい時代になりました。

男は外で仕事、女は家で家事と子育て、定年後は悠々自適。そんなライフプランは最早リアリティも普遍性も感じません。沢山のライフスタイルの選択肢のひとつでしかなくなりました。

男と女が暗黙の了解のうちに、お決まりの人生コースを既に決められた役割分担をしながら歩む時代ではないのです。

黙っていても乗っていればぐるっと一周する山手線ライフから、独自のプランを慎重に立てつつ状況によっては柔軟にコース変更も目的地変更もあり得る登山ライフが今、そしてこれからのスタイルです。

他人の人生は参考にはなっても、そのまま模倣はできない。ほんの5年でも常識が違ってくる。そんな時代に家庭を築いて生きて行くには、夫婦、そして家族同士の積極的で創造的なコミュニケーションが不可欠です。

その中で特に大切なのは、先ずは家庭の中で女性の気持ちに耳を傾ける発想を持ち、それを実践して習慣化し、家族の中の文化にして行くことだと思います。

10代から80代までのかたのカウンセリングを日々行い、世代間のギャップや現代の生きづらさを目の当たりにしながら、わたしが痛切に感じていることです。

心理カウンセラー 平史樹