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かけこみ掲示板

「かけこみ掲示板」 許せなくて苦しい

XYさん 40代 男性

相談内容 

 父のことが許せなくて苦しいです。父からは、幼い頃から常に怒鳴られたり威圧されたり、時には殴られて来ました。落ち着いている時には優しく、何でも買ってくれ、勉強もよく教えてくれました。でも、しょっちゅうイライラして怒鳴り散らし、毎日のように理不尽な態度を取っては母と私を苦しめて来ました。父は、一日中穏やかさが継続することはありませんでした。母は父に殴られ、何日も寝たきりになったこともあります。私が小学生低学年の時のことでした。そんな父に対して、私は恐怖と思慕の両面を感じていましたが、成人してからは嫌悪や軽蔑に変わりました。
 しかし、そんな父も長年ストレスを抱えながらも無理して勤めた職場を退職し、さらに十数年経って高齢となり、入院したり介護が必要となってからは、私の憎悪の念も和らぎ、積極的に介護を助けるようになりました。
 両親とは今、同居しています。ところが父は介護の甲斐あって元気になって来ると、再び傍若無人になり、習慣のようにイライラしては面倒をみている母や私を怒鳴ったり文句を言ったりしています。昔の激しい憎悪に比べれば、父に対する私の感情も和らぎ、すぐに優しい気持ちに切り換えるように努力しています。でも、父の怒鳴り声を聞いてしまうと、つい、自動的に怒りのスイッチが入ってしまい苦しいです。この苦しさは父が死ぬまで続くのでしょうか?そうだとしたらつらいし、何より虚しさを感じます。何と言っても父のちょっとした態度がもとでイライラして怒りを感じてしまう自分が苦しいです。 何があっても怒りを感じないで済む方法はあるでしょうか?ちなみに怒りを感じること自体に罪悪感はありません。時には面と向かって父を咎めたり思い切り言い返すこともあります。ただ、怒りを感じてしまった時の不快感を払拭したいのです。

回答

XYさん、掲示板への投稿ありがとうございました。

これまでお母さんと共に、本当に苦労されてきたのですね。ご相談に書き切れないエピソードもたくさんあることでしょう。

ご相談の文面から、お父さんはDV(配偶者暴力・家庭内暴力)の加害者のように思われますね。お母さんもXYさんも被害者としてみることもできます。

似たような境遇を体験し、親元を遠く離れて生きる人生もあります。そうしてみると、XYさんのご両親への特別な愛情や繋がりを感じました。

さて、まずはXYさんが苦しんでおられる、お父さんに対する怒りについて焦点を当てて書いてみます。

すでに自動化してしまうほど習慣化した怒りの回路は、そう簡単には取り外しができないであろうことは初めにお伝えしておきます。

ですので、ここではとっさに起こってしまう怒りに対する考え方の工夫と、具体的な対応方法をご提案してみたいと思います。

まず、考え方の工夫についてですが、XYさんは、相手が父親だと思うからこそ、怒りを感じてはいないでしょうか?

父親というものに対しての期待はありませんか? 例えば・・・

「お父さんなら優しくして欲しい」
「お父さんなら冷静でいて欲しい」
「お父さんなら堂々としてどっしり構えていて欲しい」

期待を持つことは自然であり全く悪いことではありません。

しかし、期待が強いほど裏切られた時の怒りは大きくなるのではないかと思います。

もし、今後XYさんがお父さんに怒りを感じた時、同時にご自身のお父さんへの期待がある可能性も思い出してみるのはいかがでしょうか。怒りを感じた時、期待したお父さん像への裏切りを感じてはいないでしょうか?

父親はこうあるべきだという思いに囚われてはいませんか?お父さんはとても不器用なかたではないかと思います。XYさんからお父さんにプレッシャーをかけているようなことはありませんか?

もしもXYさんにお父さんに対する父親としての期待が薄ければ、もっと冷静な目で、例えば福祉施設の職員さんのような目で、お父さんをみることができるのではないかと思います。お父さんを、ひとりの高齢男性として見てみるのです。これが考え方の工夫の一例です。

カッとなってしまった時、「あ、これは親父に期待しっちゃってるからかも知れないな」と、即座に自分の気持ちを切り返してみてください。お父さんを一人の弱い人間としても見てみて下さい。

この切り返しで、怒りの炎に水を差します。

怒りは自分の心に火傷を負わせますから、こんな場合はどんな方法でもその感情に水を差して鎮火してしまうのがおすすめです。

その他の具体的な工夫については、即座に好きな音楽を聴く、お笑い番組の動画を観る、コーヒーや紅茶を飲む、シャワーを浴びる。外の空気を吸うなど、様々な工夫があります。

あれこれお父さんについて思い煩わず考え込んだりせずに、切り返して流してしまう。それが今のXYさんにとって、怒りの処理方法として良いかも知れません。

怒りの感情に対する取り組みかたは、他にも色々あると思います。ただ、今はお父さんに対する怒りの爆発が慢性化して、ちょっとしたことですぐスイッチが入ってしまっているようですから、あれこれ深く考えるよりも、なるべく尾を引かないようにリフレッシュすることが大事ではないでしょうか?

怒りの世界に入ってしまっても良い、しかし長くその中に留まらないということです。

さて、わたしなりにご相談内容から感じたことを補足します。

わたしが想像したのは、XYさんやお母さんの気持ちと共に、お父さんを産んだお母さん、つまりXYさんのお祖母ちゃんの気持ちです。

わたしがXYさんのお祖母ちゃんの気持ちになってみると、孫のXYさんや息子の伴侶として支え続けてくれているお母さんに、感謝の気持ちがいっぱいあふれて来ました。

「息子の面倒をみてくれてありがとう。ありがとう。」

そんな気持ちになりました。

というのも、XYさんの相談内容を読んでいて、お父さん自身が持っている「生きづらさ」のようなものを感じたのです。

実年齢的にはお父さんが最年長であっても、もしかすると精神的にはお父さんが最も幼いかも知れません。お父さん自身が、かつて何かつらい体験をされていないでしょうか?

そんな印象から、お父さんの母親の気持ちになってみました。

相談内容にあるように、しょっちゅうイライラしたり穏やかさが継続できない、そして暴力を振るう様子からは、お父さん自身が、心や体の問題をずっと持ち続けて来られている可能性も感じました。

お父さんをDVの加害者として見ることもできますが、何か大きなゆがみを抱えたままいびつに生きざるを得ない、生きること自体が苦痛な人かも知れません。

そんなお父さんと共に歩まれて来たことは、XYさんにとってもお母さんにとっても、大変なご苦労があったことと思います。

それを思うと、わたしはお祖母ちゃんの気持ちになって、XYさんやお母さんに、「息子のそばにいてくれて本当にありがとう」と言いたくなるのです。

被害者と加害者の関係と割り切って考えられれば、それで心の整理がつくこともあります。それが救いになる場合もあります。

しかし、お父さんもこの世にかけがえのない存在であるし、XYさんやお母さんが苦しみつつもお父さんの人生を支えて来られた日々も尊いものとして無視できません。それらは必ず報われることだと思います。

お父さんを産み育てたお祖母ちゃんはきっと感謝されています。それだけのことをなさって来たと思って下さい。

最後に、介護について簡単にお伝えします。

ご相談内容に、介護が必要となったとありましたが、お父さんは要介護認定は受けられ、介護サービスは受けておいでですか?

公的な介護は、寝たきりにならないと受けられないと考えておられるかたもいらっしゃいますが、大ざっぱに言って、これまでの生活が困難になっている時には助けを求めることが出来ます。

家庭内で世話をしようとして、かえって家族が疲弊しきってしまう例は後を絶ちません。

もしも要介護認定がまだのようでしたら、市町村の役場に気軽にお電話してみてください。役場の代表の電話番号で構いません。受付のかたが出ましたら、「父の介護の相談」と言えば担当者につないでくれます。

お父さんをサポートする仲間が増えるのは心強いことです。XYさんやお母さんの心理的身体的な負担も減り、余裕を持ってお父さんと関われる環境を作って行けると思います。

心理カウンセラー 平史樹