過去ブログ
カウンセリング
「旅立ち」の前に
誰にでも、必ず旅立つ時が来ます。
戻れない旅立ち。
しかし、それがいつかはわからない。
わたしは以前、こわくて仕方ありませんでした。特に、親が旅立つことが。
夜、寝息があることを確かめに、寝室のドアをそっと開けてしまうこともありました。
・・・かつては、どの家庭でも「旅立ち」は今より身近だった気がします。
病による旅立ち、戦による旅立ち。
ちょっとした事故でも、あっけなく旅立つことが、日常の中にありました。
いくつもの旅立ちを目にすることで、人は自分なりの準備を自然としていたのだと思います。
わたしは仕事柄、たくさんのかたと出会うようになったことで、多くの旅立ちに立ち会うようになりました。
いつかは必ず旅立つこと。それがいつであるかはわからないこと。この二つのことを忘れることはできません。
気付いてみると、自然に今できることに集中するようになり、悔いのない人生を今日一日過ごすためにどうすれば良いか、心を研ぎ澄ます習慣がつきました。
そうやって日々生活しているうちに、不思議にも旅立ちへの不安が少しずつ薄れて来ました。
死に対して目を背けず、不安に押し潰されずに生きることが、人には可能だと思います。
心理カウンセラー 平史樹