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カウンセリング

「うつ病かな?」と思ったら その3

もしも「うつ病かな」と思い、今の日常生活の中で睡眠を増やし可能な限りの休養をとっても「うつ状態」からなかなか回復できない時には、学校や職場に行けるなど、まだ体が動く内に、思いきって病院やクリニックで診察を受けてみましょう。

特に「うつ病」の治療に力を入れていて、治療件数も多い医師を探すことをおすすめします。

「うつ病」には、誰が診ても同じ答えが出るような客観的な診断方法があるわけではありません。様々な診断基準がありますが、それも日々改訂がなされており絶対的なものさしではありません。

多くの場合「うつ病」かどうかは、医師の知識と経験から主観的に判断されているように思います。

同じ患者でも、医師によって違う診断がなされたり、薬の処方もまるで違ったりします。

ですから、医師の前に座って言われるままにされるだけで、ご自分の病名がはっきりすると期待すべきではありません。

また、「うつ病」の中にも専門的には様々な分類と異なった名称があり、さらには「うつ病」のような症状ではあるが、全く別の精神疾患その他の病気であることもよくあります。

それゆえ、医師の診断を受ける際は、診察時間を気にすることなく、症状はもちろんのこと、睡眠時間や食生活、学校、職場、家庭の環境など、あなたがどのような日常生活をどんな思いでおくっているかまで詳しく伝えることが、医師のより適切な診断の助けになると思って下さい。

そして、もしも「うつ病」の可能性を伝えられたら、薬を飲むだけで治るとは思わないで下さい。

わたしは「うつ病」の治療の三本柱として、「休養」「薬物療法」「カウンセリング」が大切だと思っています。

繰り返しになりますが、薬だけでは治りません。しっかりとした「休養」がとれて初めて「薬物療法」も効果を上げます。

薬をどの程度使うかについては、医師によってさまざまですが、薬を避けたいかたのための参考として、ある先進国の医師から聞いたその国の「うつ病」の「薬物療法」についてお伝えします。

某国では「うつ病」の患者に対し、自殺の恐れがある時以外は抗うつ薬を処方しないそうです。その国の治療は、「休養」と「カウンセリング」が中心とのことでした。抗うつ薬の処方に慎重な国でも、全く使わない訳ではなく、ここ一番の必要性に応じて適切な処方がされています。

日本は抗うつ薬に限らず向精神薬全般について、処方され過ぎているのではないかと考える人もいます。

しかし、「うつ病」は、死にたくなる病であり、「薬物療法」を忌避するあまり、かえって回復が遅れたり、最悪の事態を招くこともあります。

わたしは薬物による副作用も承知の上、必要に応じて一時的に使うことを条件に、自殺を避け命を守るという視点から、「うつ病」における「薬物療法」の必要性を支持しています。「うつ病」を治すことを考えると、「薬物療法」の排除はできません。

そして「カウンセリング」ですが、これは患者が「うつ病」と戦い、回復し、社会復帰して行くプロセスでの心理的支援と、家族の理解を含めた周囲の支援の環境を作って行くためにも、必要不可欠だと考えています。

充分な「休養」、必要に合わせた「薬物療法」、弱った心を支え続ける「カウンセリング」、これらを効果的に組み合わせることで、ある程度の時間はかかりますが「うつ病」は回復して行きます。

「うつ病」は、治る病であることを忘れないでください。

心理カウンセラー 平史樹

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