希望
人は飲み物や食べ物、そして空気があれば生きて行けるのか?
そうではないと、強烈に思った経験があります。
衣食住は、肉体を生かすためには必要ですが、それだけでは足りない。
人には希望が必要です。
見た目には何不自由ない生活をしていたかたが、自殺しました。
知っているかただっただけに、ショックでした。
そのかたは、希望をなくしていたようでした。
生きることに絶望しているように見えました。
長年連れ添った伴侶に一年前に先立たれ、心はすさんでいました。
そのかたにとっては、伴侶の存在が希望だったのでしょう。
しかし、目に見える希望は、前触れもなく消えてしまうことがあります。
そうした時には、つらいながらも思い切って気持ちを切り替えて、新しい希望を見つけなければなりません。
そうしないと、人はすさみ、急速に衰え、本来の生を全うできません。
本来の生とは、幸せを感じられる人生だと思います。
人は、誰もが幸せを感じる人生を全うすることができるはずです。
そこに行き着くための架け橋が希望です。
希望は、ささやかで小さなものでも充分です。
それは例えば、あなたの優しい性格や、手先の器用さだったり、
すり切れるほど読んだ一冊の本や、繰り返し聴いたレコードだったり、
楽しかった思い出や、誇りに思える経験だったり、
好きな格言や詩の一節だったり、
今日はかなわなくても、いつかきっとかなえようと心に思い描く夢だったり、
毎朝牛乳を届けてくれる配達員さんとの挨拶だったりします。
その希望の灯火を大切に心にともして続けることが出来れば、つらくてもしのいで行けます。
さらに求めれば、いずれ必ず自分にとっての生きがいや、人生の使命を見つけることもできます。
どんな時でも、希望を探しましょう。
ひとつなくしても、ひとつ、もうひとつと、心のポケットに希望を増やしていきましょう。
それは青い鳥のように、あなたのそばに、見えないどこかに、意外なところに、必ずあります。
どのような状況であれ、あなたがたった今、生きていること。
それも希望です。
心理カウンセラー 平史樹