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相談例

「うつなのか双極性なのか、戸惑っています」

Q「大学生の息子が研究に行き詰まり、うつになりました。一時は入院もしましたが、今は自宅で療養しており、大学は休学しています。治療を始めてから1年半ほどになりました。

息子は自宅で療養するようになってから、調子の良い時には読書もするようになりました。

そんな息子が、最近ハイになるというか、興奮するようなことがあり、先日医師に伝えると、双極性障害と診断を受け、処方も変わりました。

ところが、新しいお薬を飲むようになってから、息子は大人しくなり、自室にこもりきりで、暗くなってしまったようで何だか心配になっています。せっかくうつが回復して意欲も湧いて来ているのに、双極性障害のお薬のせいでうつがひどくなってしまったような印象です。今の治療で良いものか、大変戸惑っています。

また、息子は自宅で療養を始めてから、昼と夜が逆転した生活となってしまっており、これで社会復帰できるのかとても不安です。

息子は本当に双極性障害なのでしょうか?うつの治療のままではいけないのでしょうか?また、昼夜逆転を直すにはどうしたら良いのでしょうか?」

A 「息子さんがうつなのか、双極性障害なのかと言うことは、お聞きした内容からは充分判断できません。ただ、今はまだ双極性障害の診断名にこだわりすぎることはないかと思います。

医師が診断をするのは、患者の病態をみて、それに基づき病名の仮説を立て、処方をするためです。

日本の医療現場では、精神疾患については薬物治療が主流ですので、薬を出すためにひとまず病名を付けると考えてみて下さい。

処方後の経過をみて患者に合ってないと判断すれば、薬の量や種類を変えたり、改めて診断名を変えて処方を組み立て直すこともあります。

現在息子さんに出ている双極性障害という病名も、今後経過をみて変わる可能性もあるのです。

また、精神疾患のお薬については、多くの場合副作用が出ることにも留意が必要です。薬の効果が実感できるようになる前に、副作用がつらくて飲むのをやめてしまう例を時々聞きます。

ですので、処方された薬の副作用について医師や薬剤師によく聞いておくと、患者や家族に心構えが出来て、徒に服薬を中断し、治療が中途半端になってしまうことを防ぎます。

そして何よりも大切だと思うことは、新たに双極性障害と診断を受けて処方された薬を飲んでみて、息子さんにどのような変化が起こっているのか、次の診察の際に具体的に医師に伝えることです。

息子さん自身は、新しい薬を使ってみて、どう感じているか伝えられます。睡眠時間や食事の回数や量の変化、興奮するようなことが減ったのか増えたのか、程度はどうかなども伝えられます。あなたも家族として、客観的に息子さんを観察して気付いたことなどを伝えることができます。

そうした上で、双極性障害の診断が適切かどうか、うつとどこが違うのか、双極性障害の処方が必要なのかどうかなどを医師に尋ねてみてはいかがでしょうか。

怪我や痛みの経過ならば比較的に医師に伝わりやすいものですが、精神疾患の場合は、気分をはじめ、体調や生活態度など、具体的かつ総合的な患者の情報を伝えることが診断の上で役立つと思います。

もうひとつ、息子さんの昼夜逆転についてですが、今はあまり心配しないで良いと思います。社会復帰の前に病気の治療があり、昼であろうと夜であろうと充分に睡眠をとれていれば良いと考えて下さい。むしろ全く眠れなかったり、短時間しか眠れないことがあれば対処が必要だと思います。また、焦って社会復帰、息子さんの場合は復学を急ぐようなプレッシャーを与えないように気を付けることも大事だと思います。

心理カウンセラー 平史樹