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相談例

「いつもささいなことで恋心が冷めてしまいます」

Q「彼女と同棲するようになってからもう何年にもなります。休日は二人でゆっくりすることがほとんどで、共通の友人などを交えて会話したり食事をするような機会は全くありませんでした。

先日たまたま一緒に家でのんびり休日を過ごしていたら、とても珍しいことに彼女に男性の知人から電話があり、彼女は私の目の前で会話を始めました。その知人は私もよく知っている仕事仲間だったのですが、私は彼女がその知人と話す態度にショックを受けてしまいました。電話で他の男性と話している姿、雰囲気とか、言葉遣い、声色まで、私と話す時とは全然違うのです。彼女はその男性に対して、とても優しく、配慮に満ちて、元気で明るく、しかも可愛らしいのです。『はあ?なにそれ?俺に対する態度と全然違うじゃん!』と思ってしまいました。

その知人は、用件が終わっても世間話を続け、彼女もそれを遮らずに楽しそうに話している姿を見て、かなり落ち込みました。見捨てられたような感じがして嫌になりました。

彼女の電話の後、彼女とは一緒に自宅でご飯を食べたのですが、楽しくありませんでした。落ち込んだ気分がなかなか回復せず、黙っていると、彼女もそれに合わせて黙り続けていて、何だかイライラして腹が立ちました。

日ごろ私と過ごしている時の彼女は、いつも穏やかで飾らない性格で、自然体の人です。趣味や価値観も合うので一緒にいて楽だし、誠実なところがあるので信頼しています。一緒にいてこんなにも楽な人がいるものだと思い、こんな出会いはそう簡単にはあるものではないと感じています。

ところが、例の電話のことがあってから、まるで夢から覚めたかのように私の恋愛感情がスーッと引いてしまいました。たまらなく寂しい嫌な感情が湧いたのはその時だけだったのですが、クールになってしまった自分の心が元に戻らなくなってしまいました。

今でも彼女のことは大切な人、かけがえのない人、縁の深い人という思いに変わりはありません。同棲は続いています。

でも、肝心な恋愛感情が、以前のようには湧かなくなってしまっています。以前は彼女との結婚について時々考えていました。でも、今はこんな状態です。こんな状態で一緒に暮らしていても良いものか、戸惑っています。

彼女は結婚に関してこだわりはなく、それを彼女から話題にすることはありません。私も以前はそれが楽だったのですが、今回の事をきっかけに、自分の中にはいずれ誰かと結婚したいという願望が、かなり強くあったことに気づいてしまいました。

まとまらない話になってしまいましたが、彼女に対して愛情は感じるもののクールになった自分の心、こだわりがないはずだったのに強かった結婚願望、ふたつを突き合わせると、彼女は結婚相手になり得るのかどうか?この同棲関係を続けていて良いのかどうか?モヤモヤし続けています。

今までも似たようなパターンの経験は何度かしています。好きな人ができて付き合うが、かなり親しくなったところで、いつも何かほんのささいなことをきっかけに私が冷めてしまい、そのまま相手の人とは疎遠になってしまい、関係が消滅してしまうパターンです。

こんなことを繰り返して来たので、自分には結婚は難しいと考えるようになり、結婚について真剣に考えず、むしろ避けて来たのに、また同じパターンにはまってしまいました。何とかこの悪循環から抜けて、もっとすっきりとクリアな気分で生きて行きたいです。何かヒントはあるでしょうか?」

A「『ほんのささいなことをきっかけに私が冷めてしまい、そのまま相手の人とは疎遠になってしまうパターン』とのことですが、パターンを繰り返しているのはあなたで、お付き合いするかたは皆別人ですよね?ということは悩みの大きな原因は、あなた自身、あなたの性格にあるのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

ひとつ考えられる可能性は、あなたが無意識の内に、人と親密になることを拒んだり恐れていないか?ということです。意識の上では誰かと親しくなりたいのだと思います。だからこそお付き合いも始まるのだと思いますが、心のどこかで、人と親しくなることを恐れている人もいます。

例えば、小さいころ、お母さんに甘えようとしたけれども拒まれたと感じて、あなたの心が傷ついていると、それがトラウマのようになり、誰かと親しくなればなるほど同時に再び傷つくことを恐れ、小さいころに感じたような絶望を味わうくらいならその前に心を閉ざしてしまおうという回路があなたの中にはできていないでしょうか?

人から一定以上の愛情が流れ込むと、ショートする前にブレイカーが落ちるようなイメージです。

愛情を求めた結果、傷つく経験をしていると、このようなブレイカーが出来てしまうのかもしれません。『見捨てられ不安』という名のブレイカーです。

自分自身の心の回路を作り直そうと思うならば、人からどんなに愛情を受けようとも、それが必ずしも絶望にはつながらないという新しい経験をすることが大切かも知れません。

そのために、もし可能ならば、彼女に協力を仰いでも良いかと思います。  その協力ですが、まずは彼女にあなたの『パターン』を知ってもらうというのはいかがでしょうか?

これは、自己開示、カミングアウトです。

カミングアウトは、自分と接する人に自分の個性や特徴を知ってもらい、お互いに誤解や偏見によるトラブルを避け、前向きな人間関係を育んでいくためのひとつの方法です。

『かなり親しくなると、ささいなことで思いが冷めてしまうしまう』なんて言うカミングアウトは、かなり勇気がいるものだと思います。

『君のことが好きになればなるほど、ちょっとしたことで嫌いになっちゃうかも知れないんだ』なんて、親しい人から言われれば誰でもびっくりすると思います。

ただ、あなたがこのパターンに自分自身で既に気づいているということ、あなたが今の彼女に対してもこのパターンが既に出てしまって以前よりも思いが冷めてしまっていること、それにもかかわらず彼女と疎遠にはならず愛情も感じ、まだ同棲を続けており、しかも結婚の可能性についても考えていること、これらのことから、わたしはあなたがこのパターンから脱却する予兆、成長の可能性を感じました。

カミングアウトは、彼女にとってショックかも知れませんが、あなたが冷めた心のまま同棲を続けていても、遅かれ早かれ関係はどこかちぐはぐとしたものになってしまうのではないでしょうか?

彼女の性格や、これまでのお二人の関係の積み重ねを考えると、ここはあなたから率直にカミングアウトすることが、あなたの気持ちも彼女の気持ちも楽に、クリアーにするきっかけになるような気がしました。

わたしは、案外同棲中の彼女は、あなたのパターンを感じ取っているのではないかという気もしました。でも彼女は、自分の本音を語らずハッキリしないあなたのことを思って、結婚についてもあなたのことを問い詰めないで来ているのかも知れません。

また、あなたはご自分の気持ちを普段どれくらい彼女に伝えているでしょうか?

あなたは普段自問自答が多く、あまり感情を出さない方ではありませんか?

あなたの相談内容から、あなたが心の葛藤を自分の中だけにしまいこんで、自分だけで解決しようとしているようにも感じました。

あなたが自分自身の葛藤を彼女にカミングアウトできないにせよ、あなたが今よりもご自分の気持ちを彼女に伝える工夫をし、さらに彼女にもあなたには知り得ない様々な感情があることを想像しながら生活してみるのはいかがでしょうか?

身近に居るからと言っても、本当にその人のことを深く理解できているとは限りません。彼女の目線に立って彼女の気持ちを考えて見ることが、これからのお二人の関係を成長させていく上で必要なことかも知れません。」

心理カウンセラー 平史樹